このように様々な製造方法と特徴がある鋳造方法ですが、金属を使用した部品を採用する上で、どの工法を選択するかはコストはもちろんのこと、寸法精度や品質が大きく異なってきます。さらに工業的には鋳造やダイカストでは、どうしても要求される寸法精度が出ないので、ダイカスト品に切削加工を施して(追加工)要求精度を満たすという方法が採用されています。
これらを踏まえて、鋳物・ダイカストを用いた金属部品を選定する上では、下記のポイントを押さえておく必要があります。
①ロット数
鋳物、特にダイカストは大量生産を前提としており、金型費用もかかります。先に述べた各種ダイカスト法もイニシャル・ランニングともコストに差があるので、予め確認しておくことが肝要です。
②鋳巣
鋳物には鋳巣がつきものですが、これを鋳造の段階で抑制するのか、それとも後処理で埋めるのか、コストと品質の兼ね合いで総合的に判断する必要があります。
③切削加工の手間
工業製品には切削加工はつきものとは言っても、精度を出すためには切削加工が必須なケースと、あまり必要ないケースが存在します。設計段階でこれらを織り込んでおくとバランスのとれた製品を作ることが可能です。